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カンボジア王国芸術教育視察団が教育学科授業を視察

カンボジア王国では、過去に教員を含めた多くの人々が殺害され、国の文化や教育が衰退するという悲しい歴史がありました。2016年に実施されたカリキュラム改訂によって、これまで社会科の一部であった美術、音楽、踊りなどの芸術科目が教科として独立しました。

これを機にJICA草の根国際技術協力事業「カンボジア王国初等科芸術教育支援事業」がスタートしましたが、ナショナルカリキュラム及び教科書の作成から、現在では子どもたちに適切に指導できる「教員の養成」のフェーズとなってきました。それに資することを目的として、5月22日(水)、カンボジア王国教育庁より22名のカンボジア王国芸術教育視察団が来学し、本学教育学科の今川恭子教授(音楽教育)、水島尚喜教授(美術教育)の授業を参観しました。

今川教授の授業では、「イメージと表現」をテーマとして、ある単語のイメージをカードに描き、それらを自由に組み合わせた図形楽譜を元に、様々な楽器や音具を用いて音表現しました。また、水島教授の授業では、様々な不定形の紙を「見立て」、思い浮かんだ内容を元に1枚の画用紙の表面と裏面に構成し、ミニマムな紙芝居を学生一人一人が発表しました。

カンボジアの方々にとって、音楽の授業ではグループ毎に出来上がる音楽が全く異なっていたこと、美術の授業では一人ひとり全く異なったストーリーであったことが印象的で新鮮であったようです。この視察の大きな収穫として、カンボジアにおける芸術教育の将来像を具体的にイメージすることができるようになった、と視察団からのご報告がありました。

(教育学科教授 水島尚喜)